賃貸管理の可能性に、挑む。
当コラムでは、「賃貸管理ビジネスを成功に導くためのポイント」を、オーナーズエージェントのコンサルタントたちが分かりやすく解説します。
今回のテーマは「無料でできるネット集客」です。
コストをかけずに実践! 管理会社のネット集客
皆さん、こんにちは。コンサルタントの金井です。
前回のコラムでは、管理受託を引き寄せるために欠かせないWEBサイトの活用術について書かせていただきました。入居者の部屋探しだけでなく、オーナーの管理会社探しでもインターネットが使われている昨今、WEBサイトの価値はますます重みを増していると言えます。
しかしながら、せっかく自社のWEBサイトを作っても、顧客となるオーナーに見てもらえなければまるで意味がありません。
では、自社サイトに顧客を呼び込むためにはどのように情報発信を行なえばいいのでしょうか。今回はコストをかけずに実践できるネット集客術を紹介します。
SEO対策を成功に導く「コンテンツマーケティング」
自社サイトをより多くの人に見てもらいたいとき、欠かせないのがSEO対策です。
SEOは「Search Engine Optimization」の略で、意味は「検索エンジン最適化」。
Googleなどの検索エンジンで、関連するキーワードが検索されたときに自社サイトが検索ページの上位に表示されるようにするための施策のことを言います。
そして、SEO対策で有効となるのが「コンテンツマーケティング」。
ターゲットが求める情報を発信して潜在顧客を顕在化させる、ここ数年のネット集客の基本とも言えるマーケティング手法です。
コンテンツマーケティングで一番大事なのは、顧客にとって価値のある情報をどんどん発信していくこと。管理会社にとっての顧客はオーナーですので、オーナーが関心を持ちやすいコンテンツ——たとえば相続や節税、資産を増やすための施策、空室対策アイデアといった情報を、自社サイトを通じて数多く発信することが反響獲得に必要となります。
さらに、発信する情報は量だけでなく、その質も問われます。
多くの情報が錯綜している時代だからこそ、価値の低い情報は検索上位にも上がりませんし、オーナーの関心を引くことも難しいでしょう。
ですからコンテンツマーケティングでは、訪れたオーナーに「読んで良かった」「役に立った」と思ってもらえるコンテンツを多く提供することが大切です。
コラム記事や空室対策の成功事例、コンサルティング事例、セミナー開催の実績など、賃貸経営の役に立つ多種多様な情報を定期的にどんどん発信してきましょう。
ネタが尽きたり体力切れになったりと継続が難しくなってきた際には、外部のクリエイターの力を借りるのも一手です。
自社サイトへの導線確保にはSNS活用を!
ネット集客の基本となるSEO対策ですが、効果が見込めるまでには時間がかかってしまいます。そのため、継続的な情報発信に合わせて、WEBサイトへの導線をつくってあげることが重要となります。
そこで利用したいのが、多くの方がアカウントを持っている「SNS」。
FacebookやTwitter、Instagram、LINE、YouTubeなど、幅広い媒体でセミナー告知、自社紹介動画の掲載などを手軽に行なえるのが大きなメリットです。
うまく活用できれば、自社のフォロワーを介して多くの方に情報が広がりますので、顔も知らない不特定多数の方へ一斉にアプローチをかけることも可能でしょう。
何より基本的には無料で使えますのでアカウントを持っておくに越したことはありません。発信した情報で反応の良かったもの、悪かったものを分析しながら、より注目を集める工夫を凝らしてみてください。
集客ツールの定番! メルマガ配信
かつてはコラムやお得情報を直接配信する役割を担っていたメルマガですが、今ではWEBサイトへの集客ツールとして定番の手法となっています。
最近はテキスト形式の見せ方だけでなく、本文に画像を組み込んだHTML形式も配信できますので、以前より読者の興味を引きやすくなりました。
とはいえ、苦労するのは配信先の読者をどうやって増やしていくかでしょう。
なかなか思うように増えない場合は、たとえば「セミナー参加や資料請求をしてくれたらQUOカード〇〇円分プレゼント」など、多少コストをかけた集客を行ってみるのもいいかもしれません。
ローカル検索で上位獲得へ! MEO対策
少し毛色は変わりますが、ネット集客を強化するためにはMEO対策も効果的です。
聴き慣れない方も多いかもしれませんが、MEOとは「マップエンジン最適化」の英語名「Map Engine Optimization」の頭文字を取った言葉です。
Google検索に表示されるローカル検索(たとえば「地域 業種」)の結果でGoogleマイビジネスの情報を上位化する施策のことを指します。
検索の上位3位までに入ると検索結果の画面上に表示されますので、自社サイトへのアクセス増加が期待できます。
新たな管理会社を探しているオーナーが自社のエリアで「賃貸管理」とローカル検索したとき、いち早く目に留まるようにするためにも、登録がまだの場合はすぐにでも行ないましょう。
その際、登録情報はなるべく詳細に書いてください。
特に業種は検索結果に大きく関わる部分となりますので、「不動産」よりも「賃貸管理」といったように、自社サービスをよりアピールできる内容を登録しておくのがベターです。
さらにもう一つ気をつけたいのが「口コミ」機能。
MEOでは口コミの数や評価も検索結果の表示順位に影響を及ぼしています。
口コミがあると、ときにはネガティブなレビューや評価を受けることがあるかもしれませんが、情報過多の時代だからこそ、アマゾンの商品レビューや食べログの口コミのように、ユーザー側の意見の重要性は今後もどんどん高まっていくことが予想されます。
もしネガティブな口コミを寄せられたら、そのまま放置をしておくと検索された際に印象を悪くしてしまう恐れがあります。
できるだけ早く、そして丁寧にお詫びコメントを返しておきましょう。
宿泊予約サイトなどでは、宿泊客の辛辣なコメントに対してとても丁寧な対応をしているホテルをよく見かけます。いちど参考にしてみるのもいいかもしれません。
効果検証しながらネット集客を成功に導く!
いかがでしたでしょうか?
コラムもメルマガもS N Sへの投稿も、時間はかかるかもしれませんが、無料で利用できるうえに上手に活用できれば大きな集客効果が期待できます。
いきなり全てを実施するのは難しいと思いますので、まずは自社でできそうなことから始めてみるといいでしょう。
ただし、各集客方法を実践したら、忘れずに行ないたいのが効果の検証です。
「Googleアナリティクス」は、サイトへの訪問者数や流入経路、訪問時間、閲覧した端末、離脱率やコンバージョン率などの指標を確認することができる解析ツールで、Googleが無料で提供しています。
どの媒体での集客が効果的であったか、どのような情報が興味を持たれていたかを分析し、それを活用していくことで徐々に効果の高い集客が実現できるようになります。
ぜひ効果検証しながら、自社のネット集客を成功に導いてください。