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【コラム】空室は「現場」で起きている! 新人に経験を、ベテランに発想を与える「現場研修」のすすめ

2020.10.16
  • コンサルタントコラム

    賃貸管理の可能性に、挑む。

    当コラムでは、「賃貸管理ビジネスを成功に導くためのポイント」を、オーナーズエージェントのコンサルタントたちが分かりやすく解説します。

    今回のテーマは「現場研修の意義」です。

    現場で得られる新たな気付き、PMツアー体験記

    こんにちは、コンサルタントの金井です。

    グループ会社のアートアベニューでリーシングを中心に管理業務に携わった後、現在は全国津々浦々の管理会社に業務支援を行なっております。

     

    日々の業務でお忙しいとは思いますが、管理会社の皆様は、新人を育てる際に「現場研修」を実施していますでしょうか。弊社では先日、「マーク」こと弊社代表の藤澤を先頭に、「マークと行くPMツアー」という現場研修会を開催しました。

    このPMツアーとは、長期空室となっている管理物件まで実際に足を運び、参加者それぞれの視点から課題と改善策を検討するという、空室対策について学びを深めるための実践重視の研修のこと。

    弊社では経験の浅い新人や、物件に出向く機会の少ない事務スタッフを対象に定期的に開催しています。

     

    今回のツアーでは、新入社員ならではの斬新な意見や、女性目線だから分かる着眼点など、気付きの多いPMツアーとなりましたので、その模様を紹介させていただきます。

    現地でしか見つからない長期空室物件のひみつ

    秋晴れの心地よい、とある土曜日。

    PMツアーに参加するべく物件の最寄り駅に行ってみると、参加者の面々が続々と集まってきました。なかには入社半年や2年目のフレッシュな新人の姿も。

    かく言う私も新卒入社ですが、もちろん、とっくに新卒気分は捨てておりますのでご安心ください(笑)

    そしてPMツアーは、最寄り駅にこうして集合した時点からすでに始まっています

    なぜなら、駅から物件までの道のりを実際に歩いてみることで、坂道や周辺環境など、地図だけではわからない生の情報を集めることができるからです。

    駅前の賑わいはどうだろう?

    部屋までのルートに夜道が不安になるような場所はないだろうか?

    可能な限り入居者の立場になって考えることが、現場研修の学びを深めるポイントです。

    ◆好条件なのに決まらない物件のなぞ

    さて、今回訪れたのは首都圏のとある物件。まずは間取り図をご覧ください。

    家賃は16万円。最寄り駅から徒歩4分、都心へのアクセスも30分と抜群の立地で、日当たりも良好。築23年のRC造、1L D Kのファミリータイプのお部屋です。

    募集条件も適正で、設備面でも充実しており、オートロック・温水洗浄便座・エアコン2基など、周辺の競合物件と比べても遜色ありません。一見すると問題点は無いように思えるほど…。

    しかし、いま述べた内容は、どれも募集図面やネット情報といった上辺のことばかり。空室対策を進めていく上で大事な分析項目にはなりますが、やはり現地に行かないと見えないものが長期空室物件には存在します。

    そして事実、PMツアー時点での物件の空室期間は61日

    多少の反響はあるものの、申込みに至る“決め手”を作るための改善ポイントはどこにあるのでしょうか…。

     

    ◆物件の加齢臭、部屋を狭くする惜しい造り

    まずは建物の外観から。

    一通り見たところ、入居希望者にとって第一印象となる外観も、特に問題はなさそうです。エントランス付近の植栽もしっかり手入れされており、外壁にはクラックなどもなく、堂々とした雰囲気でした。

    そして、いよいよお部屋に到着。

    入室後すぐのこと、私がまず気になったのは、臭いです。

    と言っても、下水から上がってくるような悪臭ではありません。築年数の経過と共に自然とにじみ出てくるあの独特の臭いです。抽象的な表現ですが、ご理解いただける方も多いのではないでしょうか。

    あるアロマセラピストの話では、嗅覚は脳にダイレクトに働きかける感覚で、香りを嗅いだ時に本能的に快・不快の判断が下されるとのこと。

    室内を見学する初めの段階で、入居希望者に悪い印象を与えてしまっては申込みにも繋がりにくくなってしまうでしょう。

     

    次にリビングへと進みますが、ここでも驚きのポイントがありました。

    狭いのです。図面では10.6帖とありますが、そうは思えないほど狭く感じます。

    原因は何だろうとお部屋を見渡して、すぐに気がつきました。キッチンの壁です。キッチンスペースとリビングを壁で仕切ってしまっているせいで、せっかくの広さが台無しになっているのです。

    結果、リビングとして体感できる面積は7帖ほどでしょうか。これでは1LDKというより2DKのような印象を入居者に与えかねません。

     

    立地も設備も外観も良いはずなのに、なぜ空室が埋まらないのか。

    図面や写真だけではわからない理由の一端が、現場に足を運んだことで徐々に見えてきました。

    ◆女性目線からの発見

    PMツアーでは、メンバーそれぞれがチェックシートを片手に室内を見て回り、改善策を考えていきます。参加した新人からも多くの意見が出されました。

     

    <ツアーで挙がった改善策の一部>

    • 居室の収納内部がベニヤのままなので壁紙を貼ってみたらどうか

     

    • 洗濯機置き場に棚が欲しい

     

    • キッチンをグレードアップしたい

     

    • 洗面台をシングルレバーに変更したい

     

    また、ある女性スタッフからは、こんな指摘がありました。

    「水回りが全体的に古い印象。特にお風呂が気になります。16万円の家賃を払うのであれば、もう少し新しいお風呂がいい。今のままなら私は住むのを躊躇うと思います」。

    確かに、お風呂やキッチンなどの水回りに関しては、男性よりも女性の方が気にして見ていることが多いかもしれません。

    女性目線で見た時にお部屋はどう映るのか。ハッとさせられた瞬間でした。

    現場研修のすすめ

    PMツアーでは、最後のまとめの時間も大切です。

    物件を見て回った後、参加者全員で改めて意見交換を行ない、空室を決めるためのオーナー提案を考えます。

    ただ物件を見てわいわい語るだけでは片手落ち。せっかく多くの発見や改善アイデアが出たのですから、重要だと思われるものは「提案」のかたちにまで昇華させましょう

    ただし、オーナーの予算も限られている以上、できること・できないことの判断は必要です。数ある改善策に優先順位をつけて、「最優先で提案すべき対策」を決定していきます。

     

    弊社の「マークと行くPMツアー」も、最後はマークの解説をガイドに改善提案を決定して閉会となりました。

    マーク直々の解説はもちろんですが、自分では気づかなかった物件の課題や改善策――特に、業界経験の浅い新人やほとんど不動産のことを知らないスタッフの意見――にたくさんの発見をもらえた、非常に密度の濃いP Mツアーでした。

     

    というわけで、弊社のPMツアー、いかがでしたか?

    社内で行なう座学研修も大切ですが、やはり自分の目で現場を観察して初めて気付くことも多いはず。現場を見てもらい意見交換をすることで、その社員がどのような点に着目し、どのような点を見落としがちなのか、今後の課題や目標設定のヒントも得ることができます。

    また、業界に染まっていないからこその、新人による一般入居者に近い目線からのアイデアは、本当に刺激的です。

    皆様の会社でも、ぜひ現場研修の実施を検討してみてください。

    【現場研修のポイント】

    • 研修先は空室期間が実際に長引いているリアルな物件を選ぶ
    • 最寄り駅からスタートする(車利用が前提の物件は車庫入れから)
    • 建物の外観や雰囲気もチェック
    • 見た目だけでなく臭いや音など五感で判断する
    • 新人や女性の目線を取り入れる
    • 最後にまとめの時間を設けて具体的なオーナー提案を考える

    社員教育のためのWeb学習「スターカレッジ」

    最後に少しだけ宣伝です。

    ここまで新人教育や現場研修の話をしてきましたが、会社の生産性を上げ、売上を伸ばすには人材育成が欠かせません。

    弊社では、日本で唯一の賃貸管理特化型eラーニング教育システム「スターカレッジ」を多くの管理会社様に提供させていただいております。

    受講できる講座数は、賃貸管理業務の基礎から管理受託の方法、投資分析、税務、法律、物件写真の撮り方等々、実に700講座以上

    社員教育の幅が大きく広がりますので、ぜひこの機会にお試しください。

    • 金井 俊樹
      コンサルティング事業部
      プロフィール:

      入社して以来、毎日が発見と学習の連続です。
      あたらしいことをたくさん経験し、
      コンサルタントとしてどんどん成長していこうと思います。

      好きな言葉は「凡事徹底」です。

      コンサルタントブログ:ゆくとしくるとし

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