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【コラム】管理会社の倫理観。オーナーとの「利益相反」をどう防ぐか

2020.11.13
  • コンサルタントコラム

    賃貸管理の可能性に、挑む。

    当コラムでは、「賃貸管理ビジネスを成功に導くためのポイント」を、オーナーズエージェントのコンサルタントたちが分かりやすく解説します。

    今回のテーマは「管理会社が持つべき倫理観」です。

    使命はオーナーの利益最大化

    皆さんこんにちは。コンサルタントの金井です。

    グループ会社のアートアベニューでリーシングを中心に管理業務に携わった後、現在は全国津々浦々の管理会社に業務支援を行なっております。

     

    私は現在、「CPM®」という資格取得を目指して勉強中なのですが、皆さんはこちらの資格をご存知でしょうか。

    CPM®(Certified Property Manager®/サーティファイド プロパティー マネージャー)は、米国シカゴに本部を置くIREMが認定しているプロパティマネジメント(資産管理)を行なうための資格です。

    金融計算、メンテナンス、人材管理、マーケティング、不動産資産の実績評価など、多岐にわたる専門知識を半年かけて習得し、さらには、2日間かけて行われる最終試験(与えられた条件の中でオーナーに対する資本改善提案論文を作成する)に合格してようやく取得することができます。

     

    不動産運用を非常に高度なレベルで行なう米国においては、80年以上の歴史を持つCPM®の社会的地位や信頼は極めて高いものがあり、「不動産を買う前に優秀なCPM®を買え」という言葉があるほどです。

    管理会社の使命である“不動産の価値の最大化=オーナーの収益最大化”を一番に考え、様々な角度からオーナーの賃貸経営をサポートしているのが、世界各地で活躍するCPM®なのです。

    プロパティマネージャーに求められる倫理観

    さて、実践的な深い知識を学べるCPM®ですが、最初の授業は意外と漠然としていて「プロパティマネージャーのための“倫理”」から始まります。

    倫理と聞くと、哲学的で難しい印象を抱くかもしれませんが、簡単に言えば、「社会通念上守るべきルールや秩序」のことを指します。CPM®の教育課程は、プロパティマネージャーとしてのあるべき姿を学ぶところからスタートするのです。

    ただし、ここで注意しなければならないのが、倫理的に問題のある行為を犯しても、必ずしも法律に触れるわけではないということです。

    では、法に触れさえしなければ何をしても構わないのでしょうか。

    もちろん、そんなはずはありませんよね。何千万、何億というオーナーの資産を預かる我々プロパティマネージャーの責任は当然重く、使命を遂行するには何よりもまず倫理を重んじる必要があります。

    「公平で正直に、誠実さを持って顧客であるオーナーの利益のために仕事をしなければならない」という考えが、IREMの礎となっています。

    オーナーとの利益相反

    先述の通り、管理会社の使命はオーナーの収益を最大化することです。そのためには、正しい倫理観を持って業務を行ない、オーナーとの信頼関係を築き上げることが重要となります。

    しかし、普段の業務をこなす中で、ともするとオーナーの利益に反して自己の利益を優先してしまうような倫理的問題に直面したり、遭遇したりといったケースがあると思います。

    社会問題にもなった「かぼちゃの馬車」事件など、オーナーとの間で起こる利益相反はその典型例と言えますが、もう少し身近な出来事で考えてみましょう。

    管理と仲介、それぞれの立場の「顧客」

    日常的に利益相反を起こしやすいのが、仲介業務を兼任している管理会社でしょう。

    たとえば、お部屋を紹介しているときに家賃の減額交渉があった場合、皆さんはどのような対応を取りますか。

     

    まずは管理会社と仲介会社、お互いの立場を整理してみましょう。

    管理会社の顧客は「オーナー」です。オーナーのために、なるべく家賃が減額されないよう努めるのが管理会社の立場と言えます。

     

    一方、仲介会社の顧客は「入居希望者」です。手数料を貰う立場上、入居者希望者に寄り添い味方となる場面が多くなり、結果としてオーナーの利益を損ねる「家賃減額」の提案をしてしまうことも多いのではないでしょうか。

    もちろん、周辺相場や空室期間など、様々な項目を分析した結果、減額という結論に至ることはありますし、一つの正しい提案だと考えていいでしょう。

     

    しかしながら、手数料欲しさの提案や、審査に通るのが厳しいと分かっている方の申込みを無理やり受け付けるための提案であればどうでしょう。

    自身の利益のためにオーナーの利益を損なう、まさに「利益相反」となる行為です。

    法に触れてはいませんが、オーナーの収益最大化が使命であるプロパティマネージャーとしては、明らかに倫理違反に当たります。

    同じ組織の中で管理と仲介の両方の業務を行なっている場合、ましてや、1人の担当者が兼任している場合には、このような利益相反の場面が日常的に起こってしまう危険があります。

    倫理違反を防ぐ分業化と意識付け

    こうした事態を避けるためには、業務を切り離すのが得策です。

    オーナーのために仕事をするのか、入居希望者のために仕事をするのか、管理担当と仲介担当の部署を分け、それぞれに明確な目的を持たせることで、顧客の利益を優先して業務に取り組める環境を作りましょう。

     

    人数の都合上、業務の切り離しが難しい場合には、もちろん無理にする必要はありません。

    大事なのは、スタッフ一人ひとりが「オーナーの収益最大化」を常に意識し、オーナーの利益のために倫理に基づいた行動をすることです。それにより家賃の減額だけではない、別の提案もできるようになるのではないでしょうか。

    たとえば、設備の交換提案。古いエアコンが付いたままであれば、新品に交換することで家賃減額なしに契約をしてくれるかもしれません。

    多少のコストはかかりますが、次の募集の際には有利に働きますし、何より家賃を下げないことで、物件価値の維持・向上に繋がるオーナーファーストの提案ができるでしょう。

     

    くどいようですが、管理会社の顧客は「オーナー」です。

    正しい倫理観を持って、オーナーと管理会社が共に利益を得られる継続的な関係を作っていきましょう。

    • 金井 俊樹
      コンサルティング事業部
      プロフィール:

      入社して以来、毎日が発見と学習の連続です。
      あたらしいことをたくさん経験し、
      コンサルタントとしてどんどん成長していこうと思います。

      好きな言葉は「凡事徹底」です。

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