賃貸管理の可能性に、挑む。
当コラムでは、「賃貸管理ビジネスを成功に導くためのポイント」を、オーナーズエージェントのコンサルタントたちが分かりやすく解説します。
今回のテーマは「イベントの集客・運営・アフターフォロー」です。
渾身のイベントを最大限に活かす3つのポイント
こんにちは、コンサルタントの金井です。
グループ会社のアートアベニューでリーシングを中心に管理業務に携わった後、現在は全国津々浦々の管理会社に業務支援を行なっております。
また、管理会社向けのセミナー開催や、イベントへの出展も多く経験させていただき、リーダーとしてプロジェクトの統括・進行も担当。そこで培ったノウハウを皆様にもお伝えしていきたいと考えております。
前回のコラムでは、不動産オーナーを対象としたセミナー開催に焦点を当て、企画運営に苦戦されたことのある方に向けて、イベント開催時の基本的な5つのポイントのうち、「1.イベントの企画」「2.会場の選定」について深掘りさせていただきました。
〈5つの基本ポイント〉
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今回のコラムでは、引き続きオーナーセミナーの開催を想定したうえで、イベントを成功に導くためのコツとして「3.集客の方法」「4.事前準備・当日の運営」「5.アフターフォロー」の3つについて深掘りしていきます。
【集客の方法】大勢の顧客を取り込む5つのアイデア
集客は早さが命です。
告知のタイミングが開催日に近くなればなるほど参加者の予定も埋まってしまいます。
「興味はあるのに先約があって参加できなかった」
なんて言われたら勿体ないですよね。遅くとも1ヶ月前には集客を始めるようにしましょう。
ただし、拙速なだけの集客では、肝心の「より多くの参加者を募る」効果は期待できないかもしれません。
せっかく開催するのですから、賑やかなイベントにするためにも多くの人に情報を届け、関心を引けるよう手を尽くしましょう。
<1>メルマガ・不動産情報サイトで大多数アプローチ
自社Webサイトでの情報発信は言わずもがな、多数の顧客にイベント情報を届けるなら、まずはメルマガと不動産情報サイトを活用するのが得策でしょう。
既存オーナーをターゲットとする場合、メルマガは低コストで手軽に配信できる優れた広報ツールと言えます。最近はテキストだけでなく、HTMLを使って画像や装飾を施すことでインパクトを持たせることも出来るようになりました。
配信リストが用意できたら、顧客の目に留まりやすい時間帯を狙い、開催日までの間に複数回にわたってイベント情報を流しましょう。
1度目で申込みをくれる方もいれば、まだ予定がわからないからと見送る方もいます。参加意欲を刺激するためにも、2度目、3度目と繰り返しアプローチをかけたいものです。
また、メルマガは集客ツールとしてだけでなく、定期配信することで、読者やファン層を拡大する効果も期待できます。不動産関連のノウハウやニュースなど、日々継続して情報発信することで信頼感を高め、読んでもらいやすい下地をつくっておくといいでしょう。
一方、新規オーナーをターゲットとする場合は、不動産情報サイトへの広告掲載も有効な一手です。コストはかかるものの、「健美家」「楽待」といったセミナー情報を載せられるサイトを使うことで、多くの新規顧客にアプローチできる可能性が高まります。
もし既存のファン層がなかったり、顧客の開拓が必要だったりする場合は、まずは不特定多数に知ってもらうことを念頭にセミナー情報のポータルサイトを活用してみてください。
<2>SNSで集客しやすい環境をコツコツと
初期費用をかけることなく始められるSNSも、集客の大きな武器となります。
Facebook、Twitter、LINE、Instagramなど、自社アカウントを持っているなら集客ツールとして積極的に活用していきましょう。
もし、アカウントがない場合は、これを機に作成し、継続的に情報発信できる環境を整えておくといいでしょう。
開設当初だと即効性は低いですが、数カ月以上じっくりと情報発信し、顧客との交流を深めることができれば、集客したいタイミングでターゲットに直接告知することができます。
各SNSで特徴は異なりますが、最初は40~50代の利用者が多いFacebookの活用をお勧めします。
<3>新聞・雑誌で広告掲載
新規顧客の開拓に向けて、地元新聞や不動産関連の業界誌の広告欄にイベント情報を掲載する方法です。
コストこそかかりますが、大勢の目に触れるため、高い広告効果が期待できます。
また、イベント情報を広告ではなく記事として取り上げてもらうのもいいでしょう。
発信元に掲載依頼と情報提供を行い、1本の記事として掲載することで、より多くの情報を伝えるとともに企業の信頼性向上にも繋がるはずです。
<4>参加特典を用意する
参加特典やノベルティアイテム、成約に至った場合のプレゼントをつけることで、ターゲットの参加意欲を向上させることができます。下記の具体例を参考に、ターゲットに合った特典を検討してみてください。
〈特典例〉
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<5>個別相談会の開催
セミナー終了後、事前予約制の個別相談会の開催も検討してみましょう。リーシングやメンテナンスはもちろん、税金や相続について直接相談をしたいというオーナーも多くいるものです。
もし、自社で話をできるスタッフがいない場合は外部に依頼するのもいいでしょう。
例えば、税理士や弁護士、銀行、保険会社など、専門家と相談できる機会を設けられれば参加者にも喜ばれやすいです。
そのほか、不特定多数の方の目に触れる場所(駅の掲示板や市民会館など)への掲示や、ランディングページの作成など、かけられる予算の中で多くの策を実践しましょう。
加えて、次回の開催のためにも、どの媒体からどれくらいの集客効果があったのか、データを蓄積して活用していくことも忘れずに。
【事前準備・当日の運営】準備は念入りに、当日はスマートに
事前準備
当日慌てないためにも、事前準備は念入りに。また、トラブルが起きても柔軟に対応できるよう余裕を持って進めましょう。
【会場の備品確認】
会場側で用意がなかったり貸し出しとなる備品はしっかりと把握しておきましょう。全国様々な会場を利用してきて、備品はオプションとなる会場の方が多い印象です。プロジェクターやマイクといった必須のものはもちろん、演台や延長コードなどもオプションとなる場合があるので注意が必要です。
【配布資料の準備】
当日のレジュメだけでなく、会社案内や管理メニュー表といった自社サービスをアピールできる資料も用意しましょう。飛び入り参加の可能性も考え、申込人数+5部程度用意しておくと安心です。
また、アンケートを実施して、参加したオーナーの声も吸い上げましょう。セミナーの満足度はもちろん、賃貸経営の悩みや管理会社に期待することなど聞くことができれば、その後のアプローチはグッとしやすくなるはずです。
【掲示用ポスター】
会場によっては、どの部屋で何の催しをしているのかがわかりづらくなっていることがあります。念のため、セミナータイトルと貴社名を入れてA3サイズで印刷し、会場の入り口付近の掲示できるようにしておけば、参加者が迷うリスクを減らすことができます。
養生テープやハサミ、ペンもあると便利です。用具は前日着でまとめて会場に送付しておきましょう。
当日の運営
規模にもよりますが、開場の1時間前には準備を始められるように会場入りしておくと安心です。
資料の配布、音響・マイク・映像チェックと、やることは意外と盛り沢山。直前になって慌てないように備えておきましょう。
開場したら、最初の受付にも気を遣いたいところ。
スムーズな受付のコツは、名簿をあいうえお順に並べて印刷することです。さらに飛び入り参加の可能性も考え、新たに書き込めるスペースを設けるといいかもしれません。
トイレや喫煙所の場所は本当によく聞かれますので、予め把握しておきたいものです。イベント開始時の司会の方のアナウンスで、注意事項と合わせてお伝えするのがいいでしょう。
開始後も、参加者の様子を観察しながら、空調の温度は適切か、何か困っていそうな人がいないかなど、常に注意をしておくことが重要です。
また、講師以外のスタッフは、なるべく参加者の気が散らない場所で、出来れば座って待機をします。立ったままだと参加者に威圧感を与えてしまうことがあるからです。
【アフターフォロー】鉄は熱いうちに打て
閉会後のアフターフォローも忘れてはいけません。
イベントは開催して終わり、ではなく、顧客との関係性を築き、ビジネスに繋げることが目的です。「鉄は熱いうちに打て」という言葉の通り、開催から日が経ってしまうと参加者の熱も覚めてしまいます。
出来れば当日中、遅くても、翌日の午前中までにはお礼メールを送りましょう。アンケートの内容も確認しておけば、同時にさりげなくアプローチをかけてみることも可能です。
また、すぐに成果が出なくても焦らないでください。継続した情報発信や、定期的なイベント開催によって徐々にファン層を広げられれば、自然と結果はついてきます。顧客リストをしっかりと管理して、囲い込めるようにアプローチを絶やさないことが大切です。
いかがでしたでしょうか。
今回のコラムでは、イベント準備からアフターフォローまでのポイントをご紹介いたしました。これまで、イベント企画をしようと思ってもなかなかできていなかった方も少なくないと思います。そんな皆様のお役に少しでも立てれば幸いです。
時間もコストも手間もかかる自社イベント。
せっかく開催するのですから、確実に成果へと繋げたいものです。
前回までのコラムと合わせて、イベント開催5つのポイントを参考に是非自社イベントを企画してみてください。